記者飯森(以下飯):給食当番結成4周年ということで今回は作曲家のサワグチカズヒコさんにお話を伺います。とりあえず4周年おめでとうございます。
サワグチ(以下サ):ありがとうございます。
飯:結成当初のことは覚えてらっしゃいますか
サ:はい。僕のNHKみんなの歌「とろろおくらめかぶなっとう」が放送決定になって浮かれてた頃ですね(笑
飯:といいますと
サ:何と言ってもNHKです。そして曲名が「とろろおくらめかぶなっとう」。このダブルインパクトで注目を浴びているうちに、もっと目立つことを始めなくちゃとずっーと考えてました。
飯:タイミング大事ですよね。
サ:僕は食べるのも飲む(呑むほうです)のも大好きで、酒呑みのオリジナル番組とか、カレーアイドルとか、何かにつけて飲み食いに関わってきた方だから、さらにそれを活かせないかなと。
飯:それで「給食当番」なのですね。
サ:簡単そうな名前ですけど当初はそれはそれは悩みましたね。ユニット名、曲の方向性等々・・・NHKみんなのうたを聞いてくださる層に受け入れられないとしょうがないので、まずは子供向けな声質ということで当時カリッシュというカレーの歌ばっかり歌ってたユニットのみどり君に「やってみない?」と声かけました。
飯:どうでした?
サ:当時みどり君は喉を痛めてて3か月くらい声が出なかったんですよ。東京駅近くのカフェで筆談でした(笑。確かその時のノートに五穀豊穣だのなんだのって書きまくって、悩み抜いた末「給食当番」にたどり着いたんです。
飯:給食当番誕生秘話ですね
サ:日本人なら誰でも1度は聞いたことのある単語ですからね、それからネットでそういう音楽ユニットや関連団体がないか必死に調べました。
飯:ありました?
サ:ありました。(笑
サ:でもあまりメジャーな団体はないようでしたので採用にしました。ドメイン関係もKyu-Syokuとも書けるしCue-Shokuなどとも書けるし、色々めんどくさいので「9409」で給食と読んでもらおうと考えました。
飯:そして結成するとすぐ「恋するピーマン」の発表となるわけですが、最初にこの曲を持ってきた意図は?
サ:ユニット名が決まる前からこの曲はずっと頭に流れていました。とにかく絶対的にわかりやすくなければいけない、というのがありました。子供が食いついてくれる、というのが大前提ですからね。
内容もそうですが、曲として歌としてスッと子供に入り込める曲でなくては。
飯:「ぼくはピ〜マン」は確かに覚えやすいですね。
サ:覚えやすいし、「君をいつか幸せにしてあげたい」というサビは、心にすっと気持ちよく響いてくるメロじゃないですか。自分で言ってますけどね(笑。・・でも、この気持ちいい感覚が歌には必ず必要だと思っているんです。
飯:そうですね。覚えやすい、というのはヒット曲には大切な要素ですね。
サ:まぁ思ったようにヒットしていないというのは4年経った今でも変わらないですが。。。
飯:ピーマンに続いてとうもろこし、たまねぎと楽曲を次々に発表していく給食当番ですが、方向性という意味で「たまねぎボンバー」は一風変わった曲調だったと思います。
サ:結成前よりみどり君はソロ活動もしていて、色々なライブに出てたりしていたんです。そのご縁で僕も色々とライブハウスに出させてもらったりを繰り返してきたわけなんですが、感じたことはライブハウスのお客さんの求めるものと、給食の楽曲ってちょっとズレがあるなと感じ始めたんです。
サ:ライブハウスでもストリートでも、その多くは可愛い女の子におじさま達が集まるという構図が多くて、帰宅ラッシュが落ち着いた19時20時といった時間帯に、しっとりした曲をイタイケな少女(?)が切ない想いを歌い、都会に疲れたおじさまがすっかり心を奪われCDを買う、という。
そんな都会に舞い降りた一輪の花たちが可憐に咲く世界に「ぼくはピ〜マン!」とかやっても素通りする人がほとんどだったんです。
飯:確かに・・・わかる気がします。
サ:みどり君が可憐じゃないとは言ってないんですよ?(周りを気にしつつ・笑)でもどこの場所でもハコでも、それは感じられるし何と言ってもライブハウスはお客を呼べなければ話にならないですから、余計にこういう場所は難しいのかなと感じ始めました。
ピーマンやとうもろこしなどの耳当たりのいい曲は、繰り返し演奏していると物足りなくなってくる。もっともっと盛り上がりたい!と考えることが多くなってきたんです。そこで「たまねぎボンバー」が生まれました。
飯:あれは衝撃的な曲でした。
サ:ストレス爆発したのかも(笑
サ:わかりやすさ、という点ではちょっとどうなのかなと思いますが、給食の新たな方向性を打ち出した曲と言えますね。
飯:その後もM3やコミケの度に新曲を出してきた給食当番、印象的な出来事などはありましたか?
サ:坂戸児童センターでのライブですね。
飯:と言いますと?
サ:星空の音楽会というライブだったんですが、坂戸市のプラネタリウム内で行うライブだったんです。近所の子供達がたくさん見にきてくれまして、大好評だったんです。ハコでやるライブなどにずっと悩んできた給食でしたが、やはり正しいニーズのあるところでやればいいんだ!という大きな自信につながりました。
飯:素晴らしい出会いだったわけですね。
サ:まさにその通り!そのご縁から近くの児童センターや幼稚園と随分お声をかけていただき、子供達の前で演奏する機会がグンと増えました。福祉施設なども行く機会をいただきました。
飯:いよいよメジャー街道が見えてきました?
サ:いえいえ。まだそこまでは・・・(笑
サ:でも、子供達よりも親御さんが熱心に聞いてくれたのが本当に嬉しくて、給食当番親衛隊なんていう組織(?)も結成され、給食の曲の振り付けなんかも考えてくれたんです。以前なら考えられないことです。
飯:親衛隊、ですか!アイドルみたいですね。
サ:ありがたいことです。本当に。
飯:今後の展望など教えてください。
サ:すみません、全然わかりません(笑。
飯:どういうことですか?
サ:んー私の置かれている状況がちょっと特殊すぎまして・・・好き勝手に音楽を創れる環境にないんです。
飯:え?全然わかりません
サ:ほら、人には言えること言えないこと色々あるでしょう?察してください。
飯:え、え?あ、あぁハイ。(無理やりうなづく)
サ:遅れてきた兵役と言ってます(笑
飯:そうなんですね・・・
サ:新曲「ニンジンロケット」はまさにサワグチの想い全開な楽曲ですね。あれはロケットになりたいニンジン君の歌ですけど、実は人間の愚かなチャレンジはすべて神の手のひらで踊っているだけさ、みたいな意味がたくさん込められているんです。
飯:ええ、あのエンディングを聞いた時は驚きました。
サ:あれでもマイルドにしたんですよ(笑、最初のバージョンなんかはスタジオで練習するたびに、みどり君が泣いちゃうんです。「ニンジン可哀想」って。小学生かよってみんなで突っ込む(笑
飯:そ、そうだったんですね。
サ:絶賛発売中の曲なので詳しくは言いませんが、でもあれはバッドエンドなわけではなくて、現在のサワグチまたは給食当番はそう見えるというだけなんです。現時点でそうでも、やはり信じて突き抜けたらいいんです。
飯:不滅のニンジンスピリッツですね!
サ:そうですとも!
飯:なんでも秘密の発表が近いらしいですね。
サ:そうなんですよ。もう毎日言いたくってしょうがないです。でも言霊の国日本に住む我々は人に「話す」ことは、それを「離す」「放す」ことに繋がりかねない。だから軽々しく言わないというのがみんなのうたの時からの習慣なんです。
飯:そう言わずに、なにか情報教えてください。
サ:そ、そうですね。まぁ給食当番のメジャーデビューかも!?って位でしょうかね。是非お楽しみに情報お待ちください。
飯:いつまで待てば・・・?
サ:6月中には?
飯:わかりました。楽しみに待ちたいと思います。今日はありがとうございました。
サ:ありがとうございました。
飯:給食当番に対するサワグチ先生の思い入れの強さ、感じていただけたのではないでしょうか今回のインタビュー。そんな給食当番の楽曲は以下の再生リストなどで試聴が可能です。この機会にどうぞお聞きくださいね!お読みいただいきありがとうございました。